旅人になりたい。

旅人になるためのブログ

わたしと母の対立

 

普段、わたしと母は仲良しだ。

映画を見に行ったり、買い物したり

休みの日は一緒に出掛けることが多い。

 

けれど、わたしと母は性格が相反する。

 

母は基本ポジティブ。

自己肯定感も高く、明るい性格でせっかち。

みんなと同調することこそ大切だと思っているタイプ。

 

対してわたしは

自分でも困るぐらいのネガティブで

自分に自信がないし、根が暗いマイペース。

みんなと同調するのが苦手で、他人とは違う何かを持っていたいと思うタイプ。

 

喋るペースが早い母に比べて

わたしはとてつもなく遅い。

 

喋りたいことは明確にあるのに

語源化するのが苦手でよく言葉につまる。

 

そんなわたしは小学生の頃に不登校になった。

 

その頃、伝えたいことはあるのに言葉にできなくて必死にどう言おうか考えているわたしに母は、

「ちゃんと言わなきゃ分かんないでしょ!」

と、よく怒鳴った。

 

ちゃんと言いたいことはあるのに

って思いながらわたしは頭の中の“伝えたいこと”を母に伝えられることはほぼ無かった。

 

 

「なんでみんながあたりまえにできることがあんたにはできないの?」

 

「お前も不登校の子ども生んで育ててみろよ」

 

「普通じゃない」

 

母の口からは、

脳みそを通らずに脊髄から発せられてるんじゃないかって思うくらいにスラスラとこんな言葉がでてきた。

 

わたしの気持ちが落ち着いている時でも

「ままの方が辛い、ままの方が泣きたい」

って泣かれることもあった。

 

父には

「息してるだけで何の役にも立ってない」

って言われた。

 

もちろんそれを言われる原因はわたしにあるってことは理解してる。

 

その当時も、今も

自分が原因だからそんな言葉を浴びせられるのはしょうがないって分かってた。

 

分かってたからこそ、

追い打ちをかけられるように

否定されるのが辛かった。

 

ひたすらごめんなさいの気持ちでいっぱいだった。

 

 

ハタチになったわたしには

もう遠い昔の記憶なのに

その頃の場面をふと思い出すことがある。

 

 

今日、その記憶が蘇ってきた原因は明確で、

“あんたには自己肯定感がない”って言ってきた母に対して

わたしの口からぽろっと出た

「あれだけ否定されてきたんだから自己肯定感なんてあるわけない」って言葉だった。

 

それに対して母は

「昔、あんたのこと否定なんてしてきてないじゃん!」

って、ちょっと泣きながら言った。

 

わたしの中には

母から否定された記憶がたくさんある。

 

普通じゃないと何度も言われ

なんでわたしの子だけこんななの、って。

 

漠然と

あ〜わたしなんて生まなきゃ良かったのにね。

って何度も思った記憶がある。

 

だから、“否定なんてしてない”

って言葉を聞き流すことができなかった。

 

わたしは何度も否定されてきたってことを伝えたら、

「ままだって悩んでた。どうしたらいいか分からなかった。人間みんな完璧じゃないし、試行錯誤してたんだからしょうがない。」と。

 

母の言うことは痛いほどわかる。

 

母は泣きながら

「今更そんなことを責められるとは思わなかった」と。

 

母の口からはスラスラ言葉がでてくる。

 

 

原因は全部わたしにあることを理解した上で

“今思い出しても辛くなるぐらい

わたしは母の言葉や態度に傷つけられた事がたくさんあった”

ってことだけを伝えたかった。

 

だけど、

「ままだって試行錯誤してたからあんな対応になったの。それは分かって。」

って言う母の言葉に

「全部わたしのせいだから。それは理解してる。」

ってことしか言えなかった。

 

 

わたしは言いたい言葉をいちいち咀嚼する。

 

 

そのあいだに母の口からはスラスラと言葉が出てくる。

そんな母の言葉を聞いているうちに

わたしは伝えたい事を何も伝えられなくなる。

 

母が思った言葉は

そのまま全てストレートにわたしが浴びて

わたしの伝えたい言葉はわたしの中にしまわれる。

 

 

わたしが伝えたかったことを伝えないまま

わたしと母は元通りの関係に戻る。

 

きっとこの先もずっと

わたしの気持ちを母が知ることは無いと思う。